退院後の日々と維持療法

退院を迎えて

   久々に帰る我が家、にこ親子は喜びにあふれていました。
   これからは、毎日家族揃って暮らせることを本当に幸せに思いました。
   と同時に、今まで、不自由ながらも、「病院にいる」という安心感に依存しきっていたので、それまで
  看護婦さん任せだった、お薬の管理にはじまり、感染症予防など、慣れるまで不安もありました。
   にこAは、私のことを「ママ」とは覚えていますが、明らかに距離を感じました。
   でも、不思議なもので、子供同士は、4ヶ月なんてブランクは、全く感じさせないほど、帰ってきた瞬間
  から自然に遊びはじめています。
    そういえば、入院中も、にこAは、おばあちゃんと買い物に行っても、必ず「にこ@の分も」と言って、
   もう一つ同じお菓子を買うように言っていたという話を聞いていました。
    また、帰ってきてしばらく、にこAは、朝目覚めると、必ず、「あ、にこ@がいる。よかった〜」と言って
   いました。双子だからか・・・・子供の絆に感動です。
    

維持療法メニュー

     毎週の外来で、採血をします。
    
    <経口薬>  ロイケリン      毎日           眠前
              バクタ       月・水・金         朝夕
              ハリゾン       毎日            朝昼夕
              メソトレキセート  週1回           朝
              プレドニン     4週のうち一週間    朝昼夕

    <点 滴>   ビンクリスチン   4週間毎  
             
              あと、IgGの数値が400台になると、グロブリンを点滴で入れました。
              大体、4週間に一度くらいでした。

     治療計画は、発病から丸二年なので、そのうち4ヶ月入院したにこ@の維持療法は、残りの
      1年8ヶ月となります。
      日常生活を送る上で気をつけることは、やはり「感染症」です。
      特に、水ぼうそうとはしかは気をつけなければならないそうです。
      にこ@は、発病前に、はしかの予防接種を受けていたので、これは幸いでした。
      人ごみを避ける、スーパーなど人のいる室内ではマスク着用、生ものを食べない(基本的には
      過熱食)、手洗いうがいの徹底などです。

Q  O  L
    
      Quority Of Life(生活の質)の略です。WHOは、QOLを、「個人が生活する文化や価値観の中で
     目標や期待、基準および関心にかかわる自分自身の人生の状況についての認識」と定義して
     います。
      かつて、白血病が不治の病と言われ、病名の告知もほとんどされることがなかった頃は、病気と
     共に生きるという考えはなかったようです。
      しかし、めまぐるしい医学の進歩により、小児白血病の半数以上に治癒が期待出来るようになった
     現在、治療が終わった後の将来を夢見ることが出来るようになりました。
      白血病の治療は、長期にわたるものであり、その間はさまざまな副作用からも逃れられません。
      そのため、制限された生活を送ることになるのですが、健康な子供を育てる親がそうであるように、
     親は、子に出来る限りの、よい刺激や環境を与えたいと願うものです。
      私の子供は、発病が幼い時でしたから、数年経ってしまえば何も覚えていないかもしれません。
      でも、あとから考えると、長い人生の中のたった2年であっても、制限された中で、何か生活に
     工夫をしてあげたいと、日々努力しています。
      もちろん、病気を治すことが第一ですので、最低のルールは守っているつもりです。


退院後の日々

    <退院〜退院後1ヶ月>
     入院前のように、双子の真ん中で眠る毎日が戻ってきました。
     私はというと、4ヶ月間、病院に付きっきりで、色んな感覚がずれまくっています。
     体力も落ち、健康な子供と半分病気の子供を一人で、世話出来るほどの余裕もなかったため、
    しばらくは実家の母に手伝いに来てもらうことになりました。
     にこ@は、毎日楽しそうに暮らしています。
     退院後すぐは、疲れやすかったですが、元気なにこAについて動き回るうちに、だんだん体力を
    つけてきました。

    <〜退院後2ヶ月>
     にこAが、にこ@のために、水ぼうそうの予防接種を受けました。
     退院後、はじめての髄注もありました。麻酔を使うので、一泊の入院です。
     処置はスムーズに終わったのですが、肝機能の数値がすごく高かったため、点滴で薬を入れないと
    いけなくなり、結局5日間も入院することになってしまいました。
     ウイルス性肝炎とかでは無かったそうなので、その後は数値が落ち着くまで、ロイケリンを中止
    したり、減量で飲んだりしました。
     この間に、にこ@、にこAは、3歳のお誕生日を迎えました。

    <〜退院後3ヶ月>
     プレドニンを飲み始めると、怪現象が起こりはじめます。
     まず、身体のかゆみ。これは大体、飲み始めから2日目の夜から始ります。大体、1〜2日ですが、
    夜通し、「身体が痒いよ〜、掻いて〜」と言われることも。
     食欲増進、やや情緒不安定、あと、夜中や明け方の変な時間に「遊ぼうよー」と言い出したり。
     この間に、にこAに、2日程で治まりましたが、ひどい咳と発熱がありました。
     にこ@にとって、感染症は天敵なので、家族が感染症にかかると、隔離しないといけません。
     寝る場所を一階と二階に分けたり、近寄らせないようにしたりで、なんとかうつらず、乗り切りました。
     
   <〜退院後4ヶ月>
     退院後、二度目の髄注入院がありました。
     回を重ねるにつれ、麻酔が効きにくくなってきて、量が増えているそうです。
     今回も、ちょうどこの入院の時に、肝機能の数値が上がってしまいました。
     肝臓保護の点滴も入れましたが、今回は、とりあえず一泊だけ入院して、あとは内服薬で様子を見る
    ことになりました。
     数値が下がるまで、またロイケリンを中止したり、減量したりしました。
     
   <〜退院後5ヶ月>
     順調な日々が続いています。
     一度は全て抜けてしまった髪の毛も、この頃になると、だいぶ生えてきました。
     人には、色々な価値観や考え方があるので、受け入れてはいましたが、婚家の方針で、近所の人や
    ほとんどの親戚にも、にこ@の病気のことを伝えることは、禁止されていたので、ずっと、帽子をかぶら
    せていました。
     まだまだ髪は短いですが、この頃からは、以前ほど、「帽子、帽子」と騒がなければならないストレス
    から開放されました。
     
   
   <〜退院後6ヶ月>
     8月には、また髄注入院もありました。
     そしてまた、同時期に、肝機能障害がありましたが、今回は点滴薬は無しで、内服薬のみでした。
     にこ@は、維持療法になっても依然、白血球数は、1,000台〜2,000前半の数値しかありません
    でした。髄注後は1,000を切りそうになったこともあり、怖かったです。
     他の人の闘病記サイトなどを見ていると、みんな維持療法中でも4,000個くらいあるようなので、少な
    すぎることに不安も感じてます。ですが、先生達からは、「薬がよく効いているんだろうし、こんなもん
    ですよ」と言われているので、そういうものなんだと思うしかありませんね。

   <〜退院後8ヶ月>
     暑い夏も問題なく乗り越え、最後の髄注を迎えました。
     今回は、肝機能障害もなく、無事、普通の一泊入院を終えました。
     治療が続く限り、気は抜けませんが、髄注はにこ@の身体的負担も大きかったので、これが終わる
    ことは、少し、気分的にも楽になりました。
    
   <〜退院後9ヶ月>
     発病から、丸一年を迎えました。
     昨年は、数えの三歳で七五三参りをする予定で、着物も準備していましたが、その矢先の入院
     でした。今年、元気な姿で家族揃ってお参りできたこと、大変ありがたく思いました。

   <〜退院後10ヶ月>
     そろそろ、冬の天敵、インフルエンザ対策の開始です。
     私とにこAはワクチンを接種しました。
     退院後は、季節がよかったので、広場や公園にもよく出かけました。
     あと、平日の空いている午前中を狙って、気晴らしにトイザラズにマスクを着けて行ったりしていま
    したが、このころを最後に、外出先を春まで限定しました。
     病院からは、にこ@やにこAにもし発熱があったら、診断がつく前でも、抗インフルエンザ薬のタミ
    フルを飲ませるよう、処方がありました。
     
   <〜退院後1年>
     寒い季節がやってくると、感染症も増えてきます。
     この冬は、しっかりこもりました。スーパーに買い物に行くのも、できるだけ、人の少ない2時〜3時を
    狙い、冬の間は、にこ@だけでなく、菌を持ち帰らないよう、私もにこAもマスクをはめました。
     マスクを着けた親子三人、スーパーでは、全然知らない人から、「どうしたの?」と聞かれたり、笑わ
    れたりもしました。その他の外出は、ほとんどしませんでした。
     インフルエンザは、遅がけの流行でしたが、なんと我が家では、パパがかかってしまいました。
     完全隔離で、無事乗り切りました。
     この冬の頃から、にこ@の手に、かゆみを伴う謎のブツブツが出来始めました。
     指間、手のひら、手の甲と、『手』だけなんです。
     長い間の服薬によるものかな?と思いつつ、皮膚科受診もしましたが、結局原因不明です。
     でも、何故か、ステロイド(プレドニン)を服薬すると、消えるのです。
     そしてまた、ステロイドの期間が終わり、しばらくすると発疹があらわれます。
     一体、何なのでしょうね?!
     寒さの中に、春の兆しを感じはじめたら、退院から一年です。
     感染症多き、この冬を無事乗り越えたことで、また少し気が楽になりました。
     
   <〜退院後1年3ヶ月>
     その後も順調な経過をたどっています。
     依然、白血球は、1,000台ですが、無事に過ごせてます。
     退院後から、はまっている、お医者さんごっこは、一年たっても双子の大好きな遊びです。
     4歳の誕生日も迎えました。
     病気がなければ、この春から幼稚園に入園でした。
     治療は今年秋までなので、来年春に、二人揃って入園の予定です。
     いつでも幼稚園に行けそうなのが二人も家にいるので、にぎやかですよ。
          
   <〜退院後1年6ヶ月>
     発病してから迎える2度目の夏も、元気に過ごしました。
     おかげさまで、にこ@の治療は順調です。
     昨年の夏はまだ髄注があったので、何かと気も遣いましたが、今年は随分気が楽でした。
     海水浴にも出かけてみたり・・。
     治療のゴールが近づき、双子育児にも少し余裕が感じられるようになったこの頃、HP『にこcafe』を
     開設しました。退院から1年半&双子4歳でようやく、私にも周りを見る余裕が出来てきたのかな。
     何か小さなことでもお役に立てることがあれば・・との第一歩です。
     
   <〜退院後1年7ヶ月>
     双子のきょうだいが、おたふく風邪にかかってしまいました。
     いつも一緒に生活しているにこ@にも、きっとうつっているだろう・・とのことで、感染の疑いが
     はれるまで、治療をSTOP。
     結局、感染はしていなかったので、10日後よりまた治療を再開することが出来ました。
     お出かけの場所はいつも同じなのに、どうしてにこAだけが罹ったのだろう・・・?
     にこ@のマスク効果かな?

   <治療終了10日前>
     あと、もう少しでプロトコールが終了します。
     もう、薬を飲まなくても(&飲ませなくても)いい日が近づいていることが楽しみで仕方ない自分が
     いる半面で、「とりあえず、やりとげた!」という、達成感からくる、ある種の喪失感のようなものが
     あるのも事実です。
     きっと、本当に終わってしまえば、そんな気持ちはふっとんでしまうのでしょうけれどね。
     にこ@の身体のことで、今一番気になっているのは、これから先にある、再発への不安より、
     冬の頃から出始めた、謎の発疹(詳細は、〜退院後1年のところに載せています)についてです。
     半年間くらいは、「手」だけに出ていたのが、その後、足や腋にも出るようになり、今回は、とうとう
     怖れていた「顔」に出始めました。そして、手には出ていません。
     顔に出ている発疹は、手に出ていた時ほどヒドイものではないので、まだ安心はしているのですが、
     いつもステロイドを飲み始めると消えるので、全ての薬が終わった途端、ぶわ〜〜〜っと出てこない
     かとても心配しています。
     
   <治療終了1週間前>
     プロトコール中、最後のマルクが行われました。
     麻酔を使うので、一泊入院です。
     入院中のマルクは、「ママ〜、ママ〜」と泣き叫んでいたにこ@でしたが、今回は落ち着いて
     検査を受けていた姿に、2年間の重みと成長を感じました。
     お昼過ぎに検査が行われ、その日の夕方には結果を聞かせてもらうことが出来ました。
     検査結果は、良好。
     良い結果に心から安堵しました。
     採血結果では、久々の肝機能障害がみられ、グリチロン内服になりましたが、プロトコールは、
     あと、一週間ステロイドを飲めば終了です。
     あと少しだ!ガンバレ、にこ@!!!

   <治療終了>
     2005年11月9日、にこ@の2年間にわたる全ての治療が終わりました。
     ここまで無事たどりつけたことを、本当に嬉しく思っています。
     私たち親子がこの日を迎えられるために、色々なかたちで力をかしてくださった方すべてに、
     感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
     今、この文章を読んでいる方が、もし、闘病中の方、またはそのご家族でであれば・・・
     私自身がそうであったように、このサイトが、「必ず自分達も、こんな日が迎えられる!!」という、
     希望の一つになれば幸いに思います。そして本当に、一人でも多くの闘病者が、治療終了の節目を
     迎えられますよう、心よりお祈りいたします。
          


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